「感染症」とのおつきあい
子どもが一番よくかかる病気、それは「感染症」です。「感染症」は微生物(ウイルスや細菌など=病原体)がヒトの体内に侵入しておこる病気です。子どもは育っていく過程で次々といろいろな感染症にかかります。子育て中、上手に感染症とつきあうコツです。
「子どもは病気をするものだ、と心得ておきましょう。」
いつも元気な子が鼻水や咳、熱を出したり、下痢、嘔吐でしんどそうにしているととても心配になりますね。でも、いろいろな細菌やウイルスの感染を体験することで、体を守る免疫力をつけ子どもは成長していきます。ただし病気がいつかかるか予測不能です。「何でこんな時に限って・・」と、困ったことに親の仕事や色々な行事に関係なく病気はやってきます。子どもは日頃どうしても親の生活ペースに巻き込まれがちですが、どうか病気の時は子どものペースにスローダウンしてやさしく見守ってあげて下さい。子どもはとても安心しますし、容態の変化を早くとらえることができます。子どもとひとつひとつ病気を乗り越えていくと、子どもが強くなるだけでなく、親の子育て力もアップしますし、親子の絆も深まります。
「病気になったら、経過をみることが大切です。」
症状がでてすぐ受診しても、医師は急を要する状態かどうか判断しますが、病気を正しく診断できるとは限りません。症状は病気の初期から全部揃っているわけでなく、診断には「経過をみる」ことが欠かせません。「早く診てもらったから」必ず「早く治る」わけではありません。家庭で子どものようす(機嫌、食欲、活気など)をよく観察し、つらそうな時は早めに診察を受け、病状と治療の方針を確認しましょう。
ただし、生後3カ月までの赤ちゃんが熱を出した時や、それ以降でも(又は大きくなっても)、「何か普段と様子が違う」と思った時はできるだけ早く受診して下さい。親の直感はとても大事です。
「予防接種は必ずうけましょう。」
かかると怖い感染症にはワクチンが作られています。同じ病気でも、運良く軽くすむ子もいれば、治療を尽くしても命を落としたり重い後遺症を残す子もいるのです。ワクチンのある病気はワクチンで防ぎましょう。予防に勝る治療はありません。