一般診療とは別に、月~金曜日に実施しています。
「乳児健診の目的」
乳幼児健康診査(健診)の目的は乳幼児の健康を維持することです。すべての乳幼児が身体的、精神的、社会的に良い状態で生活できることを目的としています。 乳幼児の心身の状態や生活実態を把握し心身をより良い状態に保ち、置かれている育児や生活の環境のさらなる向上を目指し実施されます。 クリニックで行われる個別健診はこのような精神をもっとも発揮できる場所であり、そのことを念じながら子どもさんの健診にたずさわっています。
「健診を実施する側から」
私達が子どもさんを健診で診させていただく時は、以下の項目について心を引き締めて診察していますのでご協力ください。
「健診を受ける側からみた健診の目的」
私達が子どもさんの状態を判断し、身体発育や発達のようすを知るためには何度も子どもさんを診察したいところですが、そうもいきません。小児科医が望む健診とは?
以下の月齢に赤ちゃんのようすを診療できれば小児科医にとって本望です。
「1か月健診」は出産後の赤ちゃんにとって最初の健診です。出産の後、帰宅した赤ちゃんとお母さん・お父さんと同じように、われわれ小児科医院スタッフにも極めて重要な時間です。
チェックすることは、成長、発達、反射、聴力、黄疸など赤ちゃんの身体の評価から、栄養・ビタミンK補充・予防接種スケジュールの作成と説明など育児環境についての助言までと思っています。
健診をしながら、限られた時間内にできるだけお母さんとお話ししながら、健診の「場」にいるスタッフも五感を最高レベルに稼働させるよう頑張ります。健診終了時に親御さんに笑顔と満足いただくことが私たちの望むところです。
3か月乳幼児健康診査(以後:3か月健診)は1か月健診がほとんど産科(産院)で行われているので、赤ちゃんとママにとっても、初めて産科(産院)以外の施設へ、 それも親御さんが日程を決定して出かけて行かなければならない「診査」です。それゆえ、「敷居の高さ」をお母さん方は、感じていらっしゃるようです。 集団健診では、いつ行くかと悩む必要はありませんが不安の軽減にはならないと思います。3か月健診を受ける前からお母さん・お父さんに戸惑いがあり受診がスムーズにできないこともあるようです。 「3か月健診」は、育児査定だけでなく、育児支援のスタートがこの健診であることを知っていただきたいです。
6~7か月健診は赤ちゃんの発育発達を評価することにあわせて、母子の良好な関係性を確認する、事故防止のこと、予防接種をはじめとした病気の予防、育児不安の軽減を目的としています。 そのため、おだやかな落ちついた環境で、十分な時間をかけて診察を行うことが必要となります。
9~10か月健診で赤ちゃんそれぞれの発達上個人差が大きいため、通常の発達過程にあるのか、発達異常の兆候がないかに注意して診察を行います。 運動発達面ではお座りがやっとできた子どもさんからしっかりした一人歩きができる子どもさんまで個人差が大きいです。また正常のなかでも個人差が大きく存在し、異常と診断する際も慎重に行う必要があります。 神経発達面では、この時期は中脳・視床レベルの発達がピークを迎えるとともに、大脳皮質レベルの反応がみられ始める時期にもあたります。そのためいろいろな行動が増えてきますので評価が難しい時期です。
赤ちゃん全体の様子・保護者へのなつき方を観察しながら、笑顔でおだやかに接しながら診察します。赤ちゃんが泣き出さないように、気を引きそうなおもちゃを持たせてみたりします。 診察に決まった順序はないですが、おもちゃなどを持たせながら、赤ちゃんの観察、胸部・背部の聴診、腱反射などを診察します。体に強く触れる、目をのぞく、口を開けるなど赤ちゃんが嫌がることは後にします。
1歳6か月健康診査(健診)は母子保健法第12条において市町村実施が義務づけられており、満1歳6か月を超え満2歳に達しない幼児を対象としています。
就学時健診は、学校生活が円滑に送れるように健康を整えることと、健診で発見された場合は就学前に治療を行うよう保護者の方に報告や保健指導をすることを目的としています。 既往歴や予防接種歴、成育歴などの情報を加えて判断することが望ましいと思います。